『富士ログ』 あの夏の富士山へ

ブル道 Bulldozer Road

一般的に山小屋関係者は、登山道とはやや離れたブル道(ぶるどう)と呼ばれる特別な道を、ブルドーザーに乗って各山小屋へ行きます。


非常に急な斜面も重量級のブルドーザーならおてのもの。ベテランの運転手さんが人々や荷物を運びます。一般道とは違った景色をお楽しみ下さい。

 

撮影した2015年は、山開き直前の積雪が例年に比べて非常に少なかったといいます。山小屋が雪で埋もれるほどの年もあるそうなのですが、今回はほとんど雪が残っていませんでした。その中でも珍しく1mほどの雪が残っていたのが以下の写真です。下の方をよく見ると水がゆっくりと流れており、徐々に溶けていっているのがわかりました。


 

ブルドーザーに乗っていて毎回怖かったのが、このV字カーブです。ジグザグに登っていくため必ずカーブしなければならないのですが、ここが個人的にすごく怖いんです。斜面から落ちそうな淵をギリギリまで進んで停止し、その場で「ウイーン!」と回転して方向を変えるのですが、なかなかスリスがあります。「運転手さんスゴイな…」と思った瞬間でした。


V字カーブを過ぎて後ろを見てみると、まるで空を飛ぶ島に居るかのような浮遊感を味わいます。 

 

本8合目(標高3,400m)の富士山ホテル前です。ここからは8.5合目(8号5勺)に位置する御来光館(3,450m)も見えます。


いかかでしたか?このようにして、ブル道入り口(標高は5合目付近)から頂上まで約1時間半~2時間かけて上るのです。

また、山小屋によっては、"人"は現地集合、現地解散というように、自力で登り降りをしなければならない所もあります。